新年のごあいさつ

年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
平成28年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

昨年は素晴らしいニュースがありました。私は、昨年の年頭挨拶で、わが国の初等中等教育における公立学校から私立学校への転換(設置者移管)の気運について触れました。公立の小学校や中学校、高等学校が、その設置者である各地方自治体の手を離れ、私学として新しい歴史を歩み出すという新しい動きのことです。平成26年9月、その先駆的な試みとして福岡県那珂川町が同町立福岡女子商業高等学校を学校法人に移管することを決めました。そして、昨年1月、その移管先候補として見事、当社の事業パートナーである学校法人八洲学園が選定されたのです。私は、多くの地方自治体が直面する厳しい財政事情等を考えると、こういった公立学校の私立学校への転換(移管)というのは決して那珂川町に止まるものではなく、これから大きなトレンドとなってくると考えており(注1補足説明を参照)、その先駆けとなる福岡女子商業高等学校の案件を八洲学園と共に推進することを光栄に思っています。そして同時に、わが国の学校(学校教育法第一条校)の新しい歴史を創造する事業として、私立学校(「文理開成高等学校」千葉県鴨川市)に加えて、公立の学校についても携わる機会に恵まれたことを大変嬉しく感じています。

一昨年のISAK(International School of Asia Karuizawa)の開校にも象徴されるように、私は今、わが国の初等中等教育が大きく変わろうとしているのを感じます。それは、グローバル化や高齢化、人口減少時代の到来に象徴されるような社会の大きな変化に対応できる人間を育成しなければならないという時代の要請であり、一方で、進行する少子化に伴う「市場の縮小」に学校としても対応しなくてはならないという抜き差しならない事情もあると考えます。

那珂川町立福岡女子商業高等学校のように財政的な事情により公立学校から私学へと転換を図る学校は増加するでしょうし、三年前に当社が再生スポンサーとなった文理開成高校(千葉県鴨川市)のように、経営困難な状況に陥っている私立学校の顕在化は時間の問題です。

要するに、わが国の初等中等教育においては、
・淘汰の時代
・個性を競う時代
が、到来し、それが激化していくことになります。

そのなかで、学校には以前にも増して、強靭な足腰、即ち「効率的なオペレーション」が求められることになるのは自明の理です。これは公立も私立も関係ありません。どんな学校も、よりローコストでより効率的な、卓越したオペレーション(Operational Excellency)を実現する必要があり、それがこれからの厳しい時代を勝ち抜くための必要条件となるのです。そして、その卓越したオペレーションの実現に極めて有効な策として、多くの学校が共通して活用できるITプラットフォームが注目されてくることになります。

当社は平成22年の創業以来、以下のビジョンを掲げてまいりました。
「多数の学校の運営に係る各種業務を受託し、高品質な学校運営サービスのプラットフォームを圧倒的な低コストで全国の学校に提供、わが国の教育に貢献する」

当社が実際に手がける学校の増加により、当社のビジョンが具現化する大きな飛躍の時代がいよいよ始まったと私は確信しています。

三年前から当社がオペレーションを手掛ける文理開成高校では、そのオペレーションコストを約半分にまで削減し、前向きな投資に充てる原資の捻出に成功し、その経営再建は加速しております。昨年12月には、「東大生ボランティアを積極的に受け入れて、地方の高校生たちの多様な交流機会を設け、東大生の成長に大きく寄与した」ことが認められ、東京大学総長の五神真先生から感謝状を頂戴することもできました。これで東京大学総長から2年連続で感謝状を頂いたことになります。また、中国人留学生を迎える等の国際化も進めています。
(詳細については、文理開成高校のHPを参照。http://www.bunri-kaisei.ed.jp/

今年、当社は創業7年目に突入します。

わが国の礎となる「教育」の更なる「質」の向上に向け、引き続き挑戦を続け、社員全員で力を合わせ、大きな成果を手に入れる1年にしたいと思います。

そして、やるからには、真剣に、真面目に、そして「楽しく」やりたいと考えています。

人間は幾つになっても、成長することが無上の喜びであり、「楽しむ」ことが何よりもその近道だと私は信じているからです。

当社の挑戦を引き続きご支援頂きますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

最期になりますが、皆さんにとっても、どうか今年が最高の1年となりますように、心からお祈り申し上げます。

平成28年1月吉日

代表取締役社長
鈴木 淳

(注1)公立学校の私立学校への移管に係わる補足説明
言うまでもなく、これまでわが国の初等中等教育をその絶対的なメインプレーヤーとして支えてきたのは公立学校です。事実、平成25年の文部科学省「学校基本調査」によると、全国の小中高校の合計数は約37,000校。そのうち、私立学校の数は2,300校を少し超える程度に過ぎません。これは、割合に換算すると、僅か6%に過ぎないことになります。このように、わが国の初等中等教育の殆どが公立学校により行われていることは数字から見ても明らかです。
社会において初等中等教育の重要性は極めて高いものがあります。「鉄は熱いうちに打て」との諺があるように、教育も早期に行うものの方が後から行うよりも効果的と言えるからです。その意味で初等中等教育を「公立」を中心に執り行うことは、わが国にとって極めて重要な考え方であると言えるのかもしれません。
しかし、そのわが国の人材育成の要である初等中等教育を担ってきた公立学校を取り巻く環境は極めて厳しいものになっています。各地方自治体の厳しい財政事情と歯止めが掛からない少子化、そしてグローバル化を含めた価値の多様化による時代の変化、こういったことに象徴される難しい経営環境に多くの公立学校は立たされており、多くの地方自治体は設置する各公立学校の中長期的な展望を描くことができずに頭を悩ませているのです。
そういうなかで、平成26年に福岡県那珂川町が発表した決断は、このようなジレンマに直面する多くの地方自治体や公立学校にとって新しい有力な選択肢を提示したという意味で画期的なことだと私は思います。
福岡県那珂川町は、自らが設置する那珂川町立福岡女子商業高等学校を「平成28年4月を目指し、管理運営等を学校法人に移管する」と発表しました。(詳細は「那珂川町立福岡女子商業高等学校のあり方について(平成26年9月福岡県那珂川町)」https://www.town.fukuoka-nakagawa.lg.jp/uploaded/attachment/3061.pdfを参照のこと)主たる理由はやはり、少子化や厳しい財政事情等から学校の中長期的な展望について町としては限界があり、廃校とするにも忍びないなかで、民間の知恵と創意工夫に期待しよう、というものでした。そして那珂川町は、移管先候補となる学校法人を平成26年12月に公募、そのなかから、当社の事業パートナーである、学校法人八洲学園が選定されたのでした。福岡女子商業高等学校は平成29年4月から学校法人八洲学園の私立高校として管理運営されていくことになり、当社もその事業パートナーとして全面的に協力していくことになります。